懶惰宗他力本願寺

自らの力によらず、何かの力すなわち他力を頼み怠惰な生活と往生を願うことを要旨とする懶惰宗の本山、及び架空の宗派。

就活秋期集中講座③ 戦慄の一次面接 篇

説明会を終えて、こんなもんか~まあいい経験になったわ、と余裕ぶっこいていたのだが、それはあくまでも"筆記試験が全然できなかったし面接なんてあるわけない"と思っていたからである。しかしかなりの心配性であるため、万が一面接になったらまずいし、ひとまず面接の準備をしておこうということになった。説明会から合否連絡まで1週間、合否連絡から面接まで約1週間で合計2週間。連絡が来るまで準備をしていなかったら準備に1週間しかなかったということになる。心配性で本当によかった。

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4. 面接の準備

≪参考サイト≫
shukatsu-mirai.com
careerpark.jp
paiza.hatenablog.com


今までアルバイトの面接くらいしか受けたことがなかったため、インターネットで就職面接について実際は上記に挙げきれないくらい調べまくった。しかも、調べたところで実際の面接の雰囲気がつかめたわけでもなかった。そこで、苦しんだ挙句に取り組んだのが、100の質問に対して100の回答を考える作業である。


100問100答

簡単に言ってしまえば自己分析の超拡大版。10問くらいやった時点であまりにも時間がかかり、"やんなきゃよかった"と早くも後悔し始める。普通に大変だった。様々な質問を受けて考え答えるという作業を山ほどこなし、ある種の心構えができたと思いたい

たくさんの質問に答えているようでもひとつのエピソードをいくつかの質問に転用している、ということに気づくことができたので、完全に無駄というわけでもなかったと思う。自己分析の所でも触れたが、1エピソードに対しての切り取り方は何通りも存在するからだ。また、質問に答えまくっていくうちに、なんとなく自分はこういう人間っぽいという、自分の芯みたいな部分が見えてくる。これについては、質問ごとに別の回答をしているつもりでも、ベースとなっている考え方は共通しているということがよくわかったという感じ。ひとりの人間を構成している様々な要素の根底にあるものがわかっていて、それを意識した面接を心掛ければ、いわゆる「一貫性のある」人間だと思ってもらえるのではないだろうか。


キャリアセンターでの面談

100問100答が7割くらい進んだ段階で、質問への答え方に変なところがないか、ひとまず点検してもらった。だいたい問題はなかったので、この次は自分の手元に資料を控えつつ適当な質問を振ってもらうことにした。つまり、カンペ有りの面接練習である。人にきちんとした質問をされ、きちんとそれに答えるということは、自分の中に一定の回答が準備されており、かついつでも引き出せるようになってからではないとできないと考えた。というか、そもそもこの時点で模擬面接をできるレベルでは到底なかったわけである。

面談では担当者が毎回変わるが、そのたびに基本的な質問項目である自己紹介自己PR志望動機について練習。その後は、担当者に履歴書とエントリーシートを見てもらいながら質問を振ってもらった。回によって、回答の内容についてアドバイスを受けることもあれば、回答の仕方についてアドバイスを受けることもあった。

 言われたこと

  • 質問に対しての回答が長い
  • 自己PRには具体的な成果や評価された出来事を混ぜろ
  • "豊かな社会"って何なの
  • "御社に貢献"って具体的に何で貢献したいの などなど

重要なのはとにかく簡潔に話すこと。私の場合、少しでも気を緩めるとすぐにダラダラ喋りになってしまうのでかなり苦労した。練習で何度「今の、全部面接で話すわけじゃないよね?」「もちろんです(真顔)」というやりとりをしたかわからない。あとは、中途半端に"社会"だとか"貢献"だとかデカいことを言うと、面接官はついつっこんで聞きたくなってしまうらしい。また、秋採用の時期ではそもそもどうしてこの時期に就活してんの?という質問は確実にされるだろうという話だった。された。たいていの人は当然"今まで就活がうまくいかなかったから"で済む話なのだが、私の場合は"最近、就活してみよっかなと思ったから"というクズ丸出しの理由をいかに良い感じにもっていくかを考えなければならなかった。

また、この間にまさかの筆記試験通過連絡。出来る限り面接日程を先延ばしにして、最後の悪あがきのための時間を稼ぐ。

一次面接の前日までこの作業は行った。とくに最後の面談は初めて会う職員だったのだが、この職員が私にとって非常に苦手なタイプの人間だった。おそらく相手も私のことが嫌いなのではないかと思われる。しかし、実際の面接では好きなタイプだの苦手なタイプだのと言っていられない。激烈に苦手なタイプと相対し、小一時間苦しみながら話すという経験は、次の日に本番を控えた人間の気を引き締めさせるには十分効果的であった。


その他の準備

面接当日までに仕上げて提出しなければならない、企業専用のエントリーシートがあったので用意。志望動機を「なぜIT業界か」「なぜ当社か」「入社したら何がしたいのか」に分けて書かせる構成で、しかも各項目の字数が過剰に少なく、そもそもそこまで志望動機を考えていなかったのでかなり苦労した。

また、当然なのだけれどもスーツやシャツの支度。普段なら確実に就寝中の時間帯に起きなければならないため、早めに布団に入ったが寝つきはかなり悪かった。

5. 一次面接

面接当日の朝はかなり慌ただしかった。一番の理由は、一張羅のストッキングをめでたく破壊してしまったから。日常的にストッキングを履いていない人間はストッキングがいかにデリケートな存在かということを知らなかったのである。また、朝からかなり雨が降っていたことも混乱の原因だ。タクシーを呼ぼうとしても捕まらず、結局徒歩で駅まで行くことになった。ここで前述のストッキング破壊が起こったため突如として計画もズタズタになったというわけである。加えて、時間帯が通勤ラッシュであったため、それだけで相当の疲労を感じた。会社の最寄駅についてから一休みできるように、時間には余裕を持って外出したい。

説明会の日にも利用したコーヒー屋で一息入れ、いざ出陣。ロビーの電話で呼び出した担当者に案内され、小さな会議室で性格検査(矢田部ギルフォード性格検査)を行う。また、簡単なアンケート用紙を記入(面接でも用いられた)。どの企業も同じなのか違うのかわからないが、使用予定の部屋での会議が長引いてるだとか面接担当者が別の会議に出ててそれが長引いてるだとかで待たされることが結構多かった。


本番

面接担当者の準備がやっと終わったということで、オフィスの中にあるマジモンの会議室の前まで案内される。さすがにこの段階の緊張感はかなりのもの。部屋の入り方マナーを忘れそうになった。ノックして、挨拶して、顔を上げたところで、早速自分の想定していたものと異なる光景が目に入った。私は簡素なテーブルと椅子、若い面接官というのが基本的な一次面接だときいていたのだが、実際の部屋はかなりゴツめの机と革の椅子で、しかも面接官が40代(人事)と50代(技術)の2人だったのである。これ二次面接だったっけ?テンパりながらも元気( )に自己紹介。コートを鞄の上に置くのがマナーらしいが、置こうと思ってもなかなか置けなかったのでもたもたしながら落ち着くための時間を稼ぐ。あとはどうにでもなれ。ヤケクソ状態で元気かつ朗らかなキャラクターを作り、面接に臨んだ。

面接は、はじめのうちは人事担当が質問するのに答えていき、途中から技術担当が気になったことやもっと掘り下げたいことについて質問を加えるという流れで進んでいった。簡単な自己紹介と自己PR、その後は、履歴書やエントリーシートに沿って各項目について質問された。残念なことに100問100答で回答に苦しんだ「好きな言葉は?」とか「あなたを動物に例えると?」みたいな質問はまったくされなかったあんなに苦労したのに...一問一答というよりは、ひとつの質問に答えた後、「そうですか、〇〇ということですね。では、その時に〇〇したことはありましたか?」という、連続した会話のような雰囲気。

想定外だったのは、技術担当から出る質問内容が実際に就職したらこういう状況(だいたいマイナス)が考えられるけど、お前ならどうする?というものだったこと。こういう質問は本当にその場で考えて答えるしかない(模範解答もない)わけで、とっさに出る回答は良い子ちゃんにできないということを痛感したのだった。


 質問例

  • なぜ今の大学を選んだのか からの派生

   学部に"コミュニケーション"と入っているのになぜ大学で集団行動しないのか、と
   聞かれたときは少し困った。コミュニケーションしたくないからに決まっている。

  • アルバイトはどんなことをやっていたのか からの派生
  • ゼミには入っていなかったようだが、興味深かった教科は何か からの派生

   割と深堀された。"研究の結果どういう結論に至ったのか"に加えて、
   "実際に現実世界でもそういった現象が見られるかどうか調べたか"まで聞かれた。

  • なぜIT業界を希望するのか からの派生

   そもそも業界というよりは、システムエンジニアプログラマというように
   職種が先に決まったからなので、かなりゆるふわな回答をしていたように思う。

  • 自分の指揮するチームにやる気も能力もない酷い部下がいたらどう対処するか

   間違っても「そういう人間を採用してしまうくらいに御社の面接はザルなのですか」
   などと言ってはいけない。どの会社にもヤバい奴はいる模様。

  • 上司からは無理な指示を受け、部下は思うように動かないときの不満をどうするか
  • 理不尽な納期や取引先からの叱責にさらされることが多いが、ストレス耐性はどうか

   接客のアルバイトでも理不尽系叱責はあったので、そこと繋げて答えた。

  • なぜSEがプログラミングの勉強をしなければならないと思うか 難しすぎる

   苦し紛れに答えた後、「ん~ちょっと甘いかな~」と言われたのでつい
   「ではどのような答えならば十分な答えだったのでしょうか?」と聞いてしまった。
   この時の面接官は解答例と合わせて丁寧に理由を教えてくれたが、
   通常の就職面接で質問返しをする行為は極めてリスキーだと言わざるを得ない。

  • 他人のクソシステムを運用することもあり、不満に思うかもしれないけどいいのか

   既に完成済のシステムは弄れないんだから不満を持つ必要もなかろう。

  • かなりしっかりした話し方だし、営業でもいいんじゃないか

   全力で否定した。ここでは自分の短所に挙げていた"心配性"をゴリ押しした。

  • 就職開始時期が11月となっているが本当か、嘘ではないのか !???!?!!?

   当時は"いや...だからそう書いたんですけど"と思っていたが、
   後日キャリアセンターで聞いたところ、たまにこういう嘘吐く人がいるとのこと。

  • 芸術面に興味が向きやすいようだが、芸術職じゃなくていいのか できたらやってる
  • 他の会社を見ないでうちに決めてしまっていいのか いいから来てるわけで などなど

また、逆質問のタイミングが最後ではなく中間点にあったことは地味に予想外だった。逆質問きた!これで終わる!と思って解放感に浸りかけていたら普通に次の質問に進んでいった。何が起こっているのか一瞬わからなかった。予定では1時間。時計を持っていくのを忘れており(論外)、正確な時間はわからなかったが予定よりかなり長めだったのではないかと思う。

面接が終わり、道が入り組んでいたのでエレベータ前まで案内してもらい解散。エレベータ内でひとりになった途端緊張の糸が途切れ涙腺が崩壊しかけるという事故がありつつ、なんとか帰宅した。初めて面接をしてみて感じたのが、第一志望の企業を最初に受けるなはマジだったということと、企業が出す質問項目の把握に固執するより実際に面接の回数をこなすことの方がよほどためになるということだ。いくらネットで調べて想像しても実際に受ける印象は違うし、決められた質問に対する答えを記憶するより予想外の質問にとっさに答えるための頭をつくる訓練をするべきで、そのためには結局、"内定もらっても行く気はない企業"を利用して面接の練習を重ねる必要があるのである(大学のキャリアセンターで行う模擬面接ではこうした"予想外の質問"は出にくいと思われる)。なんにせよ、自分の身を持って経験しないことにはわからないのだ。よくわかってしまった結果、帰宅後に"やっぱ就活はクソだったじゃねえか!だから社会に出たくねえんだよ!"とわめき散らすことになった。

また、面接の問答を憶えている限り文章化して、後日キャリアセンターで"この質問に対してこういう答え方をしたが良かったか/悪かったか"、"この質問にはどういう意図が含まれていたのか"についての面談をした。その際、面談の担当職員にも"あなただったらこの質問にどう答えるか"を訊ね、パクる参考にすることで今後の面接に活かそうと考えていた。

6. 総括

実際やってみるまでは、何十社という企業に応募して何回も面接をする現状の就職活動が不毛にしか思えなかった。しかし、全ての企業が本命ではなく、応募する企業数が増えたのはあくまでも本命のための練習台を増やした結果にすぎないという考えを持ってからはある程度納得できるようになった。阿呆らしいことには変わりないが。また、そもそも志望していなかったので当たり前の話だが、この面接を通して業界、職種、企業それぞれに対する志望動機についての練り直しを自分がいかに疎かにしてきたかということもわかり、改めて自分の進路を考えるきっかけとなった。逆に、志望していない企業に対してもきちんとこの3点について答えることができればまずまずやれるのではないかとも感じた。1ヵ月だけの就職活動を行い、私なりに出した結論は以下の通りである。

  • 筆記試験で落ちるのはもったいない。まずは筆記試験対策
  • 自己分析は短期間に集中的に行って基盤をつくり、随時肉付けをしていく
  • 業界職種に関する知識、企業に対する興味関心と研究分析は最重要
  • 面接はとにかく数をこなして感覚をつかむ

これらの結論に至った所で、年度内に就職活動を完結させるのは不可能だと判断。企業の冬採用には参加せず、留年して来年度に再び就職活動をすることにした。どうせ今から冬採用に応募しても筆記試験で落ちるのでただひたすらに無駄である。この冬は筆記試験対策と、業界や企業の研究、職種に関わる資格試験の簡単な勉強に充てるつもりだ。

ちなみに、秋冬はキャリアセンターがガラガラで職員と話したい放題(だいたい小一時間喋ってる)なのだが、就職活動が始まった直後は学生でごった返し、面談まで数十分待ちで、やっと順番が回ってきても面談時間はきっちり30分で終了という状況らしい。4年生の秋になっても就活してないクズから突如として意識高い3年生みたいな状態になってしまった人間としては、今のうちに自己分析やエントリーシートの基本項目、業界についてキャリアセンターが空いてるうちに喋りまくっておき、就職活動が始まって混んでいる時期には、実際に提出する状態の履歴書やエントリーシートの最終点検と修正だけをしてもらう、という利用法が一番効率的に思われる。極端に言えば、今のうちに自己分析と業界研究を終わらせてしまったら、説明会が始まる時期まで休んでいてもいい(※私は一切責任を負いません)。周りの人と活動期間は異なっても、結果的に同じ状態なら問題はないのだから。

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最後に、ここまで読んで頂いたところでその方のためになったかどうかは保証しないし、参考にした結果失敗した方がいても責任は負いかねる。おそらく、就活マスターのような方にとっては当たり前で馬鹿馬鹿しく何のためにもならず時間を無駄にするだけの内容だったであろう。ただ、大学の教室で就活生達の会話を聞いていたときには、そのあまりの喋らなさというか、自分の体験したことの上澄みをなぞる程度の情報交換しかされないやりとりに辟易したものだ。まあ同じ業界を志望する場合はライバルである可能性も高いのかもしれないが。友人どうしであっても、多忙な中では長時間の会話をする機会もなかなかないだろう。

私がこの記事を書いたのは、こうした状況では情報の探り合いをするよりも、自分の持つ情報をできる限り開示していったほうがいいと考えたからだ。そして何より、自分が得た情報を後で忘れてしまったときに閲覧できる環境をつくっておくためでもある。ただの就活体験記のようなものになってしまったが、様々な人が就職活動をしている中で「こんな奴もいるんだ」程度の熱量で捉えてもらって、それが偶然知らないうちに誰かの役に立つことがあれば、こんなクソ体験記でも少しは書いた意味があるというものである。



末筆ながら、就活生の皆様の今後のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。


                                   敬具