懶惰宗他力本願寺

自らの力によらず、何かの力すなわち他力を頼み怠惰な生活と往生を願うことを要旨とする懶惰宗の本山、及び架空の宗派。

10/15 The DALÍ Exhibition

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ダリ展に行った。


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8月末に前売り買ってそのままにしていたやつ。
母がアド街で見たランチに行きたいというので、ついでに消化する運びとなった。

ダリ自体について私自身ほとんど情報がなく、以前買ったBRUTUS日曜美術館特集で見た絵が良かったからアレを見に行こう程度のノリ。

土曜日で割と混んでいたが、10時過ぎくらいならまだ耐えられる。
国立新美術館、パッと見では外壁にデカいプレパラートが大量に格納されている画に見え、数年ぶりに「プレパラート」という単語を口から出したのではないかと思われる。

思ったことを記録しておかないと忘れるということを忘れていたので、配布冊子を参考にしつつ覚えているものについてだけ書いておく。


すきなやつ

巻髪の少女
やたらに尻のラインが強調されている。よく見ると足元の色がエメラルドらしく美しい。

少女の後ろ姿
髪がかなり繊細に描かれているが、色づかいが派手というか金属っぽく見える。銅線っぽい。

子ども、女への壮大な記念碑
このあたりから気分が悪くなってくる。素材感がまったく違うようなものをぐねぐねにして合体させている時点で嫌な予感がしていたが。この作品は右上から恐怖、左サイドからは不気味さというダブル不快要素で気持ち悪い。いかんせん高い技術があるために、気持ち悪いイメージも非常に高いレベルで再現されている。

姿の見えない眠る人、馬、獅子
獅子はなんか筆の使い方にアジア臭があった。気持ち悪い。このあたりから列が進まなくなり、舌打ちサウンドなど聴こえてくる。美術展でこういう人いるといつも思うのは、こんな時間も待てないほど心にゆとりがない状態の人間が絵なんて余計なもの楽しめるのかということで、楽しめるかどうかは別にどちらでもいいが、不愉快感情撒き散らすのはいい年した人間の振る舞いではない。

速度の感覚
その感覚は認識できなかったが、色使いがなんか好きな感じだった。

降りてくる夜の影
すごく空が近いところにあるのではないかと思われる。どことなく気持ち悪い。

見えない男
椅子に座っているはずの人物の落とす影だけがあり不気味。気持ち悪い。

皿のない二つの目玉焼きを背に乗せ、ポルトガルパンのかけらを犯そうとしている平凡なフランスパン
これは単純に細かい作業すごいという感じで、小さい画面なのにパンのリアルさが尋常じゃなかった。列の進行が非常に遅くじっくり見ていたが、私の後ろで見ていた20代前半カップルの女性が何も考えずにタイトルを読み上げはじめ、「ポルトガルパンのかけらを...」と言った所で口をつぐんだ。にもかかわらず、その直後オッサンが妻に対して「意味?あぁ、つまりこれはセックスの象徴ってことだよ」と重ねていったために一瞬異様な空気になった所で思わず吹きそうになった。女性については、あまりにも迂闊すぎるため一度黙読することを勧めたかったし、中年男性についてはセックスまでで推測を止めるのはあまりにも浅いということを周囲にアピールしてしまっているのではなかろうかという考えが浮かんだことで、脳内で勝手にハラハラしてしまうという謎の状態に至った。

謎めいた要素のある風景
奥行きの感じがすごい。小さい画面なのにやたらとスケール感がある。

奇妙なものたち
奇妙。気持ち悪い。

見えない人物たちのいるシュルレアリスム的構成
見えない人物シリーズなんかだめだ、苦手だわと確信した。

ガラの測地学的肖像
肌とか髪とかはもちろんだけど、服の質感があまりにも立体的で、マジで綿入ってるんじゃないかという感じ。

雲の中の戦い
奥行き感がすごい。

ガラの3つの輝かしい謎
???????

幻想的風景 暁, 英雄的正午, 夕べ
デカいすごい、という第一印象から、じっくり正午を見た時のうわぁ感があった。


これ本当にすごくて、人の版画かなんかを持ってきて自分の好きなように拡張して、かつ元絵と完全に馴染んでいるという技術に改めて驚いた

アン・ウッドワードの肖像
遊び要素を取り入れるのが自然に行われている。

ガラの晩餐
グロ注意。気持ち悪い。でも細かい作業がどうなってるか見ちゃうのおおおおおお(白目)という状態。どういう赤が気持ち悪さを印象付けているかがわかりやすいシリーズ。気持ち悪いです。というか妻の晩餐これらでいいんですかね?

記憶の固執
ぐにゃぁ...

ポルト・リガトの聖母
これを見に来た。本物はでっかいので迫力もすごかったが、やっぱり一番いいなあと思うのは中央に向かって全部が集束していくイメージ構成で、真似して何かやろうと思っても絶対できない。色づかいも綺麗でいい。

ラファエロの聖母の最高速度
色かなりいいんだけど、じっくり見てると気持ち悪くなってくるタイプのやつ。色の感じが教科書の表紙っぽい

素早く動いている静物
どれもこれも質感がすごく、水のハジケ感はとくによろしかった。

テトゥアンの大会戦
遠くから見るとすごくわくわくするスケール感ですごくいいぞ!と思って近くでじっくり見たら人相が不気味な者が多く、やや後悔した。でもやっぱりよくて、描きこむ所とざっくりの部分の揺さ振りがある。

海の皮膚を引き上げるヘラクレスがクピドをめざめさせようとするヴィーナスにもう少し待って欲しいと頼む
最近、大学の講義でギリシャ神話について少しやってギリシャ神話のめちゃくちゃっぷりが面白いと考えていた所だったからタイミングよかった。顔面が描かれてないのが不気味。

トラック(我々は後ほど、5時頃到着します)
薄々思ってはいましたけど、タイトルの自由度高すぎませんかね?

位相幾何学的なよじれによって女性像がチェロになる
「チェロになる(迫真)」といわれてもパッと見た感じはチェロになってるかなあという印象だった。

チェロに残酷な攻撃を加えるベッドと二つのナイトテーブル
ダリはどの時期も割と擬人化やるんだなと思った。


総括すると、気持ち悪かった。

さらっと見ていた母はそうでもなかったらしいが、同じの見ている他の人もそこまで気持ち悪がっている様子ではなかったので、私だけが気持ち悪い気持ち悪いと思っていたのかもしれない。何故。

あと相当数あった、イメージをかきとめたっぽい作品が、小林ゆうが描いた絵を連想させてきて戦慄したこともあり。

ただ、技術的な所を見に行ったというのが大きいのでその目的は概ね達成されたのでよかった。ヤバいやつをたくさん見たからこそ、ここまでやってもいいのか~という気分になり自分の中の自由度も上がった感じがある。

まあいかんせん気分が悪かったので、観覧後コーヒー飲もうという流れになったにもかかわらず断ることになった。たぶんコーヒー飲んだら非常にまずいことになっていたと思われる。この記事を書くために思い出していたら気分が悪くなってきたため終わる。